この作品は旧ピクサー製作陣が
ほとんど関与していない。
いわば新しい世代のピクサー作品である。
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水、土、風のエレメントが住む街に
火のエレメント夫婦が移民してくる。
彼らは努力と長い時間をかけて
街に馴染み雑貨店を持ったが、
一人娘のエンバーに店を継がそうとする。
エンバーもその気であったが、
なにぶん癇癪持ちの彼女は
度々失敗を起こすのであった。
その癇癪が原因で雑貨店を水浸しに
してしまうエンバーだったが、
調査に来た検査官に店の違反を指摘され、
このままでは雑貨店は閉店に
追い込まれてしまう。
エンバーは報告書の提出を防ごうと
検査官を追うのだが…。
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何はなくとも炎や水のエレメント表現が
素晴らしい。さすがピクサーと
言ったところか。
いくつかテーマがあるのだが、
個人的には親子の継承問題がその一つだ。
いわば世代間のギャップを相いれない
火と水に例えた上で、
面白おかしく描いている。
その点でストーリーはシンプルだが、
ベースには異人種の交流が描かれており、
少々考えさせられる。
ある意味ロミオとジュリエット的か。
日本では大きく話題にならなかったが、
綺麗な映像もあって飽きることはない。
ただファミリー向けでも
年齢層は高めな作品だと思う。
今のアメリカらしい映画だ。
劇中に出てくる街の電車の元ネタは、
『千と千尋の神隠し』だと思うが
どうなんだろう。