娘が一生懸命絵を描いていたので、
家人も何か書き始めた。
「ほら、チョコ。」
娘も、「わー、チョッコ!」
「うまいね。」
「あなたも描いてみたら。さらさらと。」
「チョコか?」
この絵を見た家人は、
「いやっ・・・、さらっと描けばいいじゃない。
そんな力入れなくても・・・。」
と、少々憤慨気味。
「これでも歯医者だもん、これくらいさらさらなの。」
歯医者が大学で歯の形を覚えるのに、
まずは歯の絵を描くところからはじまる。
三宅の描いた絵は担当の大学講師によって
ことごとくダメ出しを食らった。
そうやって鍛えられるのである。
鍛えられてもこの程度であるが。
「何でこんなに凝るかなぁ。」
家人の不満はまだ収まっていない。
こんな程度なのだが。