網走湾を歩いていると
波間に息絶えた鮭が浮かんでいる。
これは『ほっちゃれ』だ。
『ほっちゃれ』とは
北海道の方言で
『食べても美味しくないので
そこらへんにほおっておけ(捨てておけ)』
と云う産卵後の鮭を指す言葉である。
北海道の方言だから内地(本州以南)の方は
ご存知ないかも知れない。
以前、みやけゆう歯科医院の
主任歯科衛生士の[ささき]と
『ほっちゃれ談義』をかわした事がある。
[ささき]は、
「ほっちゃれは女性ですよぅ。
卵を産んでボロボロになるんですから。」
と言い三宅は、
「いやいや、ほっちゃれと言えば男だろう。
家族のために働いて果てはゴミ扱い・・・。」
と全くの平行線であった。
みやけゆう歯科医院のスタッフ7人に
緊急アンケートを取ってみたところ、
・ほっちゃれは男性の事 ・・・・・ 2名
・ほっちゃれは女性の事 ・・・・・ 3名
・ほっちゃれって大丸のお菓子でしょ 2名※
※過去記事:ほっちゃれ
http://d.hatena.ne.jp/miyake-yuu/20090805/1249468499
という結果だった。
論理的に考えれば、
ほっちゃれに性別があろう筈はないのである。
自分に重ねて見てしまうのだろうか。
網走港をよく見れば
無数の若い鮭が一時帰国をして
防波堤の周りを周回している。
波間に浮かぶ鮭を見て三宅の娘は
「誰かに知らせなくちゃ。」と
あの鮭を心配していたが、
こればかりはどうにも出来ぬ。
やはり鮭の定めである。
人間もさして変わりはない。
そう思えば、
自分の一生を全うした
その鮭に尊敬の念を抱かずには
いられないのだった。