院長の「なんていうか」日誌

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ビデオカメラ


先日行われた学芸会で
三宅は他の父親達と同じに
ビデオ係であった。


これは大役である。
家族で改めて観る他に
親戚にも配布される為だ。
そんなビデオが
波間に揺れるような映像では
いけないのである。


ビデオ撮影は奥が深い。
映している映像を意識しなければ
いい絵は撮れない。
自分の呼吸までカメラワークに
現れてしまうので
息を潜めて撮影するのである。



近くで同じ劇を撮影していた
同級生の母親のビデオのモニタに
映し出される映像は
明らかに三宅のビデオより
子どもの顔がアップで写っている。



三宅家のビデオは9年目。
性能差はいかんともし難い。
もはやテクニックでフォローする他
ないのでさらに息を減らして
集中した。



そうやって撮影されたビデオを
家族が観た感想は、



『もうちょっと全体が写っていると良かったね』



むぐぐ。