院長の「なんていうか」日誌

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トイ・ストーリー3の「別れ」その1(長文)


トイ・ストーリー3が秀逸なのは
根本のテーマが『幼児性との決別』に
定められているからであろう。


[子ども向け・子ども向けが好きな大人向け]の
作品に『幼児性との決別』を
ぶつけてくるのだから
Pixerのスタッフは
相当な天の邪鬼である。
ま、今回にはじまった事ではない。




冒頭のおもちゃ達の冒険から
アンディのビデオ撮影まで、
前2作を周到しながら
『昔のビデオ』を見せる事で
これから起きる『別れ』を
予感させる手腕は見事としか
言いようがない。


ビデオの映像が音楽と共に
緩やかに消えると、
懐かしい[変わらぬ]おもちゃ達に
大きく成長したアンディが
登場して母親の小言に悩ませる姿を披露する。


残念ながら彼は
成長してしまったのである。
我々がそうだったように・・・。




大学に進学するために
家を出て行くアンディ。
観ている者の思いも寄らない
母親の真情の吐露は、
極めてリアルである。


それもそのはず、
制作総指揮のジョン・ラセター
自分の息子を大学に出す時に起きた
彼自身の心情の変化が、
アンディの母親のセリフとして
載せられているからであった。


この母親の告白は
聞いていたウッディに
ある考えをもたらし、
クライマックスへと繋がる。



冒頭のシークエンスと
ラストでアンディの視点から見た
おもちゃ達も含めた
『家族との別れ』が、
途中の『監獄』と『地獄』が
どうでも良くなってしまうくらい、
普遍的で私たちの心を揺さぶる
重要なテーマと重なってくるのである。



我が子の旅立ち・・・
三宅には怖くて
想像も出来ぬ。