院長の「なんていうか」日誌

みやけゆう歯科医院のオフィシャルページ

ボーナスの夕べ


三宅が昭和大学
小児歯科学教室に入局し
1年目の夏だったか、冬だったか・・・
『ボーナスの夕べ』という
医局のイベントがあった。


これは医局でも助手など
「ボーナスが出る」先生方が、
「ボーナスの出ない」先生方に
夕食をおごるという
粋なイベントである。


代々、このイベントの
幹事役は1年目がする事になっており、
三宅をはじめ6人の同期が
店の手配をしたのであった。


確か都立大学駅近くの店、
アメリカン・クラブハウス』を
三宅が推薦したのである。
スペアリブが特徴であり、
デザートにはアップルパイに
アイスクリームが載っていて
美味しい店だった。
デート向きである。




かくして店が決まったが、
S教授は「スパゲティ・ナポリタン」が好物で
同期のサワちゃんやアッチと相談の上、
お店と交渉しメニューにない
ナポリタンをわざわざ
作ってもらったのである。


さて「ボーナスの夕べ」が始まると
S教授は会議か何かで
遅れていらっしゃっていない。
ナポリタンは・・・と思ったが
仕方がない。


店のおしゃれさに先輩の先生方も
喜んでもらえていたようだったが、
おしゃれゆえに
料理の出てくるスピードは
ゆっくりであった。
デートならOKである。



しかしこの宴は『ボーナスの夕べ』であり、
「料理はまだか」と
先輩から声が上がった時は
サワちゃん、アッチと顔を見合わせ青くなった。



終いにはナイフでフォークを叩いて、
「チン、チン、チン」
と催促する先生まで現れて
同期6人とも、
もう苦悶するしかなかった。



ナポリタンがどういう味だったか
記憶にない。
そんな19年前の話。



先日の学会で聞けば
すでに医局のイベントには
『ボーナスの夕べ』は
存在しないのだそうだ。



家族を連れて
あの思い出の店に
行ってみたいものである。