三宅が小さい頃によく行った
従姉の家には白い文鳥が
飼われていた。
確か名前は『チクルス』だったか。
チクルスは賢く
よく言葉を覚えていた。
ごしょごしょ何かを言って、
従姉の手の上で
ちょこちょこ歩いていたり、
カセットテープに
かわいく声を入れていた。
今にしてみれば
相当な愛情を持って
従姉が世話をしていたように思う。
特に従姉の[ケーコ]ちゃんは
チクルスの母親のようであった。
三宅家にも文鳥はいたが、
なにぶんイタズラ好きな
男兄弟ではロクな世話は
しようはずもなく、
従姉ん家のチクルスとは
かわいさ・愛くるしさの点で
完敗である。
いまも従姉たちが
鳥を飼っているかどうか
知らないのだが、
今度聞いてみようと思う。
三宅はチョコの話しをしよう。