『トイ・ストーリー２』は
１作目の『トイ・ストーリー』がヒットする前から
半ば制作が決まっていた。
Pixerとディズニーとの契約に
盛り込まれていたのである。
「２作目をディズニーの好きに作る」と
ディズニーの役員に脅かされた時、
Pixerのボスでアップルコンピュータの創始者
［スティーブ・ジョブズ］は
ウッディやバズの将来を悲観して
我が子に起きた不幸のように涙したという。
トイ・ストーリーの２作目は
低予算のビデオ作品として制作を開始したが、
出来が良かったことと、
ウッディ役のトム・ハンクスや
バズ役のウッディ・アレンが
早くから参加を表明したので
Pixerは映画として公開したいと
ディズニーに掛け合ったのだ。
ここでもまたPixerとディズニーは
もめている。
映画になるにあたって
参加予定のなかったジョン・ラセターを
急遽監督に迎え、
まったく新しく作り直したのであるが、
制作期間はたったの８ヶ月であった。
制作期間中には
映画のすべてをコンピューターから
消去してしまったトラブルもあった。
たまたま制作スタッフが持っていた映画のコピーで
辛くも映画を作り上げたのである。
結果として、
トイ・ストーリー２の興行成績は
１作目を遥かに超え、
莫大な利益をPixerにもたらす。
当時のスタッフは、
「制作期間が短かかったために
トイ・ストーリー２は傑作になった」
と後に語っている。
トイ・ストーリー２は成功したが、
当時のPixerとディズニーの関係は
極めて険悪なものであったという。
それを証拠に、
『トイ・ストーリー３』が制作されるまで
この映画の公開から１０年以上もかかるのであった。
