院長の「なんていうか」日誌

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ウナギの味


三宅の父はウナギが好きだった。
土用の丑にはもちろん、
特別なことがあると
すぐにウナギを食べようと
したものである。


果たして
三宅もウナギが好きになった。
息子も食べるが、
このところは肉が良い様で
あまり付き合ってもらえなくなった。


歯医者になって間もない頃、
出張のついでに息子に会いにきた父は、
「ウナギでも食べるか」と
別れ際に[ウナ弁]を買ってくれた。
不本意にもウナギを食べながら
三宅は泣いた。


そのウナギの味は
今も忘れられない。