三宅が小学5年生のとき、
日本は「スーパーカーブーム」であった。
フェラーリとかポルシェとか
未だに有名な外国車たちが全国の少年の憧れの的となり、
北見市にもイベントとして
6台ほどだったかスーパーカーが
やってきたのである。
特に『ランボルギーニ・カウンタック』は
人気絶頂であり、
三宅もイベント会場でカウンタックの前ばかり
ウロウロしていたものだ。
そのときNHK北見放送局のアナウンサーがやって来ていた。
ローカルな取材だったのである。
カウンタックの前にいた三宅は
なんとインタビューされたのだった。
「君はスーパーカーのどこが好き?」
と聞かれて三宅の口から出たのは、
「エンジンのところ」
であった。
『エンジンの部分』と言うべきであったと
しばらく後悔したものである。
果たしてその日の6時45分から
ローカル放送に三宅は映り、
ぼそぼそとこう云った。
「エンジンのところ」