おはぎ

お彼岸の『入り』である。

お彼岸といえば『おはぎ』であり、

季節を感じさせる旬のものだ。

三宅の母はおはぎが好きだった。

確か自分で作っていたこともあったと思う。

食卓に並んだこともあった。

物心ついておはぎの中心に

『ごはん』が入っていることを知って、

カルチャーショックを受けた。

おにぎりの仲間なのだろうかと。

三宅もおはぎは好きだが、

流石に何個も食べるほどではない。

饅頭の餡を抜いて皮だけ食べるような、

そういう男であるから、

餡子の許容量にあまり幅がない。

母は春になると『ぼたもち』を食べる。

そういうことだ。