診療中によく『もうひとりの自分が・・・』と
いう話になる。
なんのことはない『無意識くいしばってしまう』とか、
そういった自分自身がとってしまう行動のことを指している。
科学的ではないかも知れないが、
そういう表現の方が患者様に
伝わりやすいことが多いと感じるのだ。
何かの本で我々が意識の中で決定をする。
たとえば『いまからコップを手に取って水を飲む』。
実はそう決めた瞬間の0.5秒前に
『無意識』の自分が決めていることを、
『意識』の自分が決めたと思い込むのだという。
ちょっとわかりにくいかも知れないが、
思っていることと、
やっていることが違う可能性が
誰にでもあるということらしい。
そもそも自分の目で
自分の顔を見ることはできない。
鏡や写真は正しいとは限らない。
自分の声を携帯などで録音して
聞いてみると自分の知る自分の声ではない。
頭の骨を伝わって聞いている声とは
違うのである。
そう考えると、
最も近くて最もわからないのは
自分であるという考えに
行き着くのである。
もうひとりの私。
どっちが本当の私?