いつだったか先輩の歯医者と
大学にいた頃の話を
話をしていた時、
「・・・それが、その先生の
コトセンに触れて怒り出しちゃって。」
と三宅が言うと先輩は
しばらく考えてから、
「三宅先生、それ、『琴線』じゃないか?」
「コトセン」ではなく「きんせん」
だったのである。
事の重大さに気付いたのは
自宅に戻って辞書をひも解いた時であった。
しかも2重に間違っている。
じつに40年程もそう
思っていたのだから
我ながら驚愕である。
未だに「コトセン」の方が
風流だと思うのだが。
※【琴線/きんせん】
:心の奥深くにある、物事に感動しやすい
感情を琴の糸にたとえていった語。