中学生のころ、
三宅はしょっちゅう職員室に
出入りする男であった。
当時職員室といえば
モクモクと先生方が吸う
タバコの煙で部屋の奥は
霞がかかっている状態であった。
2年生の頃か、
三宅が寝グセも直さず
職員室を闊歩していると、
「おい三宅!その髪形何とかしろ!」
と体育教師のT先生に
大きな声で指摘されたりもした。
「いや風でこうなりまして」
などと自分で云ったのが
今さらながら
ものすごく恥ずかしい。
煙モクモクであっても、
三宅にとってどこか
心落ち着く場所だったように思う。