「そんなバカな!」
父は[少年チャンピオン]を読んで
そんな言葉を口にした。
手塚治虫の描いたブラックジャックを
読んで思わず声が漏れている。
マンガを読むような父ではなかったが、
特定の作者に限っては
黙々と読んでいたと記憶している。
手塚治虫もその1人だった。
三宅が小学生の当時には
ブラックジャックは大人気な作品であり、
医療マンガのハシリなので
記憶に深く残っている。
劇中に出てくる疾患やケガを
ブラックジャックはズバズバと治すワケだが、
時折は全く治療の成果が得られなかったり、
皮肉な結末を迎える話も多いので
小学生ながらずいぶんショックを受けたものだ。
父は手塚治虫の医療場面の表現に
大変感心していた。
しかし話によっては医者として
ツッコミを入れていたと思う。
「こんなの無理だ!」
そんな話を家人にしたら、
『あれっ?』という顔をして彼女はこう言った。
「親子そっくりなのね」
ち・が・い・ま・すー!