「今日何するのー?」
常連のYちゃんは怖がりだ。
実際にはケロっと治療をうけることができちゃうのだが、
毎回、治療前に怖がって診療台に登ろうとしない。
そうしてこれから行う診療について、
一つ一つ質問を投げかけてくるのであった。
毎度質問するものだから。
ある程度の内容を覚えてしまっているようだ。
ある意味勉強熱心である。
大体の診療の流れを知っているものだから、
ある日三宅は特別なことを思いついた。
「大きくなったら、みやけゆう歯科医院で働いてみないかい?」
そう聞くと彼女は口を右側にすぼめて、
眉を大きく上げ、
絶妙のタイミングでこう言った。
「Yが大きくなった頃に、みやけゆうが生きてるか分からないから、
働けるかわからない」
「ブッ!!」
アシスタントをしていた2人の歯科衛生士が
吹き出してゲラゲラと笑い始めた。
そりゃない。
そりゃないよ。
ギャフン100。