学会の会場はどうして賑やかであった。
密にならないように座席が離されていたから、
参加人数はどれくらいか知らぬが、
そこそこの歯科関係者が
集まっていたはずである。
参加の理由は三宅本人の発表であり、
長い時間をかけての準備であった。
発表には『質疑応答』が付きものであり、
決められた時間に自分の制作した資料の前に立ち、
自らの言葉で説明しなければならない。
果たしていくつかの質問を受けた。
答えになっていたかどうかは
よく分からなかった。
というより、
あまり適切な回答をできなかったと
思うところである。
いけないことだが、
この日、三宅は何も食べずに
本番に臨んでいた。
とても喉を通らなかったのである。
我ながらバリケードデリケートなのかな。