院長の「なんていうか」日誌

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シャケの食し方


三宅はシャケが好物である。
40の声を聴いてから
ますます好きになった。
小さい頃よく食べていたものが
こんなに美味しく感じるなんて
なんとも幸せである。



「またシャケか。」
生前、父はシャケが食卓に並ぶと
つねにそう呟いた。
訊けば若い頃から
来る日も来る日も
シャケだったのだという。
そうしてシャケの
一番美味しいであろう
『ハラス』の部分だけを食べて
後は食べないという勝手ぶりであった。



三宅も小さい頃は
そう好きと言う程ではなかったが、
おかずに出ればちゃんと
食べていたのである。


シャケが出ると母は
一皿に何切れか一緒に乗せて出す。
誰のものか特定出来ない故に、
兄とシャケの「皮」の取り合いになった。
食卓に登れば必ず兄が食べてしまうので、
「取り合い」ではなく
一方的に奪われただけである。
力の弱い弟は台所に行って
先に食べてしまうという
手段に訴えるしかなかったのだが、
それはそれで兄から
抗議が来たものである。



自分の家庭を持ったら
そんなことはなくなった。
1人に1つずつシャケの切り身が
付くのである。平和だ。



そうして息子の
シャケの食べ方を見ていると、
『ハラス』の部分だけを食べて
後はさっぱり食べないという、
勝手ぶりなのであった。