院長の「なんていうか」日誌

みやけゆう歯科医院のオフィシャルページ

花嫁のパパ(1991・アメリカ)


1950年に公開された
[花嫁の父]のリメイク作品。
娘の結婚式が終わり、
ちらかった自宅で
主人公・ジョージの
ノローグから話が始まる。


娘のアニーはフランスに留学していたが、
帰国早々ジョージに話した言葉は
「私、結婚するの。」だった。
娘が20歳になっても子どもにしか見えない
ジョージは反対するが、
あれよという間に
結婚式の話は進んでしまう。
高コストな自宅での
結婚式を選んだ母娘。
その費用に驚くジョージ。
刻一刻と結婚式の日は近づく・・・。




左から奥さんのニーナ、ジョージ、結婚コーディネーター・フランク(怪演)、アニー


ジョージを演じるのは
コメディアンの
スチーブ・マーティン。
彼のギャグはあまり日本人に
受けないようである。
なんていうか細かくて
濃いというかベタなギャグを
スチーブ・マーティンが
好むからではないかと思う。


しかし、
この[花嫁のパパ]では
彼の演技が大袈裟になることなく、
絶妙の塩梅で優れたコメディを
生み出している。


脚本は良く練られており秀逸。
演出も細かいところまで
気を配っている。


娘アニーの結婚相手である
ブライアンが初めて
ジョージの家に訪れた際に、
ブライアンが紹介された後、
父親であるジョージが座る前に
自分が座ってしまうことを
ブライアンはしないのである。


しかし、そのシーンに対して
なんのイベントもコメントも出てこない。
映像でさらりとブライアンの人となりを
説明しているのだった。


劇中にこういった演出が随所に見られ、
映画とはこういうものだと
感心させられる。




アニーの結婚式の前日、
ジョージは眠れない。
娘の小さい頃の思い出が込み上げて
胸を押さえるシーンが
娘を持つ三宅の心を打って
ぐしゃぐしゃになるので
人前では真面目に見られないのだ。


音楽も著名な映画音楽作家の
アラン・シルヴェストリの調べが美しい。
この映画のサウンドトラックは
テレビの結婚式シーンで
よく用いられている。
三宅も自分の結婚式の際、
入場にこの曲を使った。
いまでも時折聴いている。



あまり知名度は高くないが、
[花嫁のパパ]は名作である。
それでも娘のいる父親全てに
勧めようとは思わない。
万国共通の
「結婚式における父親の命運」を
楽しく美しく魅せるこの映画は
多くの父親にとって
酷な映画かも知れないからである。



花嫁のパパ [DVD]

花嫁のパパ [DVD]