院長の「なんていうか」日誌

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恋するベーカリー(2009年 アメリカ)


恋するベーカリー』は
一昨年日本で公開された
アメリカ映画だ。
公開当時、北見でも
試写会が行われたように
記憶している。


恋するベーカリー』という邦題から
「カフェや雑貨が出てくる女子向けラブコメ」と
思われそうだが、
そう思って観るときっと
あまりの違いにビックリするだろう。



全米で最も評価の高い
ベーカリーの経営者「ジェーン」は
仕事も順調だが、
女手一つで育てた3人の子どもは
結婚、進学で続々と家を去り、
避けようのない寂しさを
感じるジェーンだった。


ある日、
元夫の「ジェイク」と
旅先でバッタリ出会い
楽しいひと時を過ごすが、
ジェイクは本気になってしまい
「復縁」を求めるようになってしまう。
迷うジェーンは・・・。




全編に美しい映像と音楽で
重くなりそうなテーマを
コミカルに描いている。
ジェーン役のメリル・ストリーブの
演技は素晴らしく、
ジェーンの気にしている「老い」を
化粧や照明でごまかさずに
正面から身体を張って表現している。
そして彼女は美しいのであった。
やはり内面が人を表すのだろうか。


元夫ジェイク役、
アレック・ボールドウィン
またいい味を出している。
この映画は女の子目線で、
『男』がどう見られているか
痛いほどに手厳しく映される。
しかし、
三宅にはジェイクが
憎めない男に思うが
人によって、
もしくは男女によって
意見が分かれるとも思う。



三宅が敬愛する俳優
スティーブ・マーチン
真面目な建築家役を
コミカルでいながら
話の押さえ所として
重要な役割を担う。


彼の持ち味というか
『芸』なのだが、
後半のパソコンでチャットのシーンでは
いても立ってもいられなくさせられる。
男として「あれはまずい」と
思わせられる。


三宅が映画館で観なくて
良かったと思う珍しい映画である。




もとよりR15指定
(15歳未満視聴不可)なので
みやけゆう歯科医院で
流せよう筈もないのだが、
10代は愚か20代が観ても
映画の趣旨を全く
理解できぬのではあるまいか。
前にも言ったが、
観る人によって評価が
グルッと変わるそんな映画だ。



原題は『It's Complicated』。
三宅が邦題を付けるなら
『いろいろ複雑でして・・・』だろうか。


人性、そんな単純じゃない。
それは劇中で何度も
語られているのだが、
ジェーンが最後に子ども達に
話す言葉が胸を打った。



なんだかヤバそうな
映画だと言っているように
思われるかも知れないが、
観ていて元気になる映画だと思う。



人性の機微をうまく表現したこの映画は
今度また、期間を開けて観る事としよう。