『しょうぶ湯』は
端午の節句にお風呂に
「菖蒲:しょうぶ」を入れて
邪気を追い払うといった
江戸時代からの風習であるが、
貴族はもっと昔から
しょうぶ湯に入っていたようだ。
少なくとも
三宅が小さかった頃に
『ユズ湯』はあっても『しょうぶ湯』は
しなかったと記憶している。
毎年、大阪の親戚が
三宅の子ども達に送ってくるのであった。
しょうぶが浮いているのを見て
一緒に入っていた息子が訊く。
「これなに?」
「『しょうぶ』だよ。元気でいられますようにって」
「醤油をいれてあるの?」
だれが三宅とその息子に
味付けをしようとしているのか。