院長の「なんていうか」日誌

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「竜とそばかすの姫」(2021年日本)

「竜とそばかすの姫」は2021年に公開され、

日本アカデミー賞を獲った映画だ。

「時をかける少女」「サマーウォーズ」等々で

アニメ映画を3年ごとに発表する細田守監督の作品である。

 

          ◆

 

高知県に住む主人公「内藤 鈴(すず)」は

幼少の頃に事故で母親を亡くして以来、

すっかり引っ込み思案になってしまった。

母親に歌を歌う楽しさを教えてもらったのに

ほとんど歌えなくなってしまっている。

 

鈴は容姿端麗でもなく『ぱっとしない』女子高生。

父親との距離も掴めず

高校でも悩み事ばかり・・・。

そんなとき、

親友の勧めで50億のアカウントを誇る

仮想空間『U』に誘われ迷いながらも

アバター(As)を作り仮想空間に入っていく。

 

絢爛豪華で自由な仮想世界に驚きながら、

鈴は思わず歌を口ずさんでしまうのだった・・・。

 

         ◆

 

「美女と野獣」をモチーフにしたと思われるこの作品は、

仮想空間の煌びやかな世界観と、

丹念に描かれた高知の景色が

とても対照的でどちらも心地よい。

 

特筆すべきは今やスタンダードな

『CG』で主人公たちはイキイキと

『演技』をするのである。

このクォリイティはすごい。

今の日本のCGでは

ここまで表現できないと思っていたが、

すばらしい出来だ。

 

音楽・音響も素晴らしく、

仮想空間の世界観を見事に表している。

キャラクターたちが後半に

唸るように声を上げるのが

普段日本の作品では見ることのできない

凄みがあって、

観ている三宅も慟哭した。

 

白眉な作品だ。

仮想空間をテーマにした

「サマーウォーズ」にも似ているが、

その設定や仮想空間に流れる人々の誹謗中傷を

劇中で表現していいるのも

新しい挑戦だと思う。

 

1回観ただけでは

わからない部分がけっこうあった。

意図的に伏せているのか、

必要ないのか・・・。

 

また観ることにしよう。